離婚後の安心を確保する『養育費保証サービス』とは? メリット・デメリットを解説

相談者様

離婚するにあたり、夫から養育費を受け取る約束をしましたが、今後何年も途切れずに受け取れるか心配です。

回答者

養育費の約束を公正証書として作成しておけば、将来受け取りが途絶えた時には、裁判所で強制執行の手続きをすることができます。しかし、手続にはそれなりに手間も時間もかかってしまいます。

そこで、あらかじめ「保険」に入っておくという手があります。そうすると、万が一の時に養育費を立て替えてくれるのです。この「養育費保証」サービスについて簡単に説明しますね。

養育費受け取りの状況

離婚後に子供を養育する母親が、元夫から継続して養育費を受け取っている割合は31%というデータがあります。

一方で、養育費の取り決めをした世帯に限って見ると、養育費を受け取れている割合は57.0%に上昇します。それでも、40%以上の世帯については継続して受け取れていないか、全く受け取れていないという現実があります。

厚生労働省の 『令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告 』より

養育費の受給状況(表)

養育費保証サービスとは

このような現状を踏まえて、養育費が途切れた時に立て替えてくれるサービスがあります。

例えば チャイルドサーポート株式会社が提供する養育費保証サービス では、契約時に5万円と毎月養育費の10%を支払えば、養育費が途絶えた場合にも養育費を立て替えてくれて、さらに相手側の給料差押手続きまで実施してくれます。

  • 自治体によっては、ひとり親支援の一環で養育費保証の契約金5万円が補助金の対象になっています。お住まいの地域について「○○市 養育費確保支援事業」などと検索してみてください。

メリット

このようなサービスを利用するメリットは計り知れません。

  • 養育費を受け取る側のいちばんのメリットは、養育費がサービス会社を通じて毎月確実に自動入金されることです。
  • 逆に支払う側にとってもサービス会社宛てに自動引落しされるため煩わしさがありません
  • 養育費の未払いが発生しても、サービス会社が最大12ヶ月にわたり、養育費を立て替えてくれるため、毎月の収入が安定し、長期的に子供の生活や教育環境を確保できます。
  • また、未払いが発生した場合には、立て替えてくれている12ヶ月の間に、強制執行などの法的手続きを、追加費用なしに実施してくれます。

デメリット(制約)

とは言え、サービスの利用にはデメリットや制約もあります。

  • サービス申込時には5万円の初期費用が必要となり、一部の方にとってはこの出費が大きな経済的負担になる可能性があります。なお、自治体によっては、この契約金を補助してくれるところもありますので、ぜひ確認してみてください。
  • また、養育費の発生期間を通じて、毎月の保証料として養育費の10%が必要です。5万円の10%だと5,000円になり、月々の負担が気になる方もいるかもしれませんが、万が一の時の法的措置まで対応してくれることを考えると、安心料として納得できる範囲ではないでしょうか。
  • さらに、サービス加入には審査があり、支払う側の社会的信頼度合いによっては、契約できない場合があります。
  • 加えて、既に養育費の未払いが発生している状況ではサービスに加入できません。そのため、できるだけ早くサービスを検討することが重要です。

離婚公正証書の作成

「養育費保証サービス」の加入の前提としても、夫婦間での養育費の取り決めを「離婚公正証書」として作成することが必要です。

養育費以外にも様々な取り決めをしておきましょう。詳しくはこちらの記事もご参照ください。⇒ 『離婚の手続って離婚届の提出だけ?

私たち行政書士は、離婚後のトラブルを極力少なくする「離婚公正証書」の作成でお力になれます。

まとめ

この記事では、離婚後の養育費の受け取りを保証してくれるサービスを紹介しました。

離婚をお考えなら、離婚協議書や公正証書の作成と併せて養育費保証への加入を検討してみてください。お一人で悩むより...

ぜひ一緒に考えさせてください。

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